再開発の悩み

最終更新日:2024.01.24

経営している店舗が再開発の対象になったら?後悔しない選択のコツ

全国各地で飲食店や物販などの店舗を経営されている方の多くは、駅前など人通りの多い場所に店を構えているかと思います。

そういった都市部・駅前の繁華街では、ときに、今ある建物や区画を取り壊してより収益性の高い高層ビルなどに建て替える「再開発」が行われますが、もしもある時、自分の店舗が再開発の対象エリアになってしまったらどうすればいいのでしょうか?

本記事では、経営している店舗が再開発対象になった場合にどのような選択肢があるのか、また、判断するにあたって確認すべき4つのポイントについて解説します。

店舗が都市再開発の対象になるとどうなる?

自身の所有するお店や家賃を支払ってお店の入居しているビルが、都市再開発の対象エリアになったらどうなるのでしょうか。

すべてのお店は、工事のためにいったん立ち退きを求められます

立ち退きは、店舗の土地建物を所有するオーナーであれば大手の地権者や再開発事業者(ディベロッパー)・地方自治体などで構成される「再開発組合」から、賃借人(オーナーに家賃を払ってお店を営む人)であればオーナーから言われることになるでしょう。

「ここでお店を続けたいのに…」
「移転にはお金がかかるし、お得意様も離れてしまうから困る」

など、皆さんも戸惑ったり不満に思ったりするかもしれません。

しかし一般的な建て替え(任意の立ち退き)であれば、住人や店舗経営者などの「立ち退きたくない」という権利は借地借家法などの法律によって最大限守られるようになっていますが、都市再開発では「そのまま残ってお店を続ける」という選択肢は選べません

都市再開発には駅前などの土地をより効率的に利用するという公共的な目的があるため、再開発組合は都市再開発法96条1項2項に基づく「明け渡し請求」の権利を持っています。

もし都市再開発で明渡し請求を無視して居座っていると、最後は裁判によって強制的に追い出されたり(代執行)、不利な金額で立退きを強いられることになってしまいます。

都市再開発では、必ず以下の2つのどちらかを選ぶ必要があります。

  • 新しいビルへ入居する(権利変換)
  • 立退料を受け取り、別の場所で店舗を開く(地区外移転)

▼再開発の選択肢の内容については以下の記事でも解説しています
再開発の立ち退き対象になったときの選択肢はなにがある?【地権者/貸借人別】(※公開後にリンクを設置してください)

ただし、権利変換と地区外移転のどちらを選ぶのか、告知されたその場で決める必要はなく、少なくとも30日の猶予があります。その間にどうするのがもっとも自分(たち)の希望に近いのか、よく比較検討して決めましょう。

具体的な選択肢と判断の基準になるポイントを以下で1つずつ説明します。

また
「どちらが将来的に良いのか判断が難しい」
「日々の店舗経営で忙しく、じっくり比較検討する時間がない」
という場合は、専門家に相談するのもよい方法です。

▼再開発エリアの立ち退きについて無料で弁護士に相談

もとの場所でお店を続けたいなら「権利変換」を

経営する店舗が再開発の対象になったときの1つめの選択肢は「権利変換」です。

対象エリアの店舗や住宅などはすべて取り壊されるためいったん立ち退くことになりますが、権利変換を選んだ場合は、再開発後に完成したビルなどの建物内の「権利床」または「借地権」を取得し、新しくお店をやり直すことができます。

ただし、お店の立地(何階なのか、大通り側か裏側かなど)や広さ、賃料は以前とまったく同じとはいかず、設備が最新になった分同じ広さでも賃料が高いといった可能性もあります。

この部分については、再開発組合やビルオーナーとお店の経営者が交渉して決めていくことになります。

「法律のことはわからないから交渉に自信がない」
「不利な場所を割り当てられてしまうのでは……」

という場合は弁護士に相談するのも良い方法です。

豊富な法律の知識や過去の事例をもとに、適正な内容でお店を再オープンできるように交渉をサポートします。

新しい土地でお店を始めるなら「地区外移転」を

一方、もともと移転を検討していたり、大型のビル内での店舗を望まないなど、さまざまな理由で権利変換を希望せず、別の場所でお店をはじめたいと考える店舗経営者もいるでしょう。

その場合は「地区外移転」といわれる選択肢をとることになります。

地区外に移転する場合は、単なる引っ越し費用や仮店舗の費用だけでなく、新しく店舗を構えるのにふさわしい場所の選定や契約の手間、得意客が離れることによる売上減といったさまざまなコストが発生します。

そのためお店側は「立退料」と呼ばれるお金を受け取って移転をすすめることになります。

都市再開発の立退料交渉に必要な知識とは

新しくできる建物の権利を取得して戻ってくる権利変換と地区外転出、2つの手段のどちらを選んだとしても、店舗に対して再開発事業者から一定の補償が行われます。

この補償を通損補償と呼びますが、その金額については決まっているわけではなく、店舗ごとの状況に応じて、1軒ごとに最適な金額を算出することになっています。

地区外転出の場合は、これがいわゆる「立退料」と呼ばれるものにあたります。

都市再開発の立退料の内訳は、ざっくりと分類しただけでも以下のようなさまざまなタイプの補償に分かれます。

  • 所有権や借地権、借家権の対価としての補償(対価補償)
  • 明け渡しや移転で生じる費用の補償
  • 仮住居や仮営業所のための費用
  • 営業収入が途絶えることへの補償(通損補償)

それぞれの補償をシミュレーションして適正額を算出し、組み合わせた合計額が立退料となります。

また、事務手続きや申し立ての期限を把握し、間に合うように適正な立退料の算定を進めていくことが重要ですが、このような専門知識を店舗の経営を続けながら身につけるのはかなりハードルの高い行為といえます。

そこで、法律の専門家である弁護士、なかでも再開発の立ち退きに特化した経験や実績を持つ弁護士に相談することで、交渉を大幅に有利に進められる可能性がぐっと高まります。

再開発の立ち退き交渉に多数の実績を持つリード法律事務所では、過去にさまざまな店舗の立退料増額に成功した事例がありますので、その一部を紹介します。

事例1)当初の約13倍、2億5千万円以上の増額例

再開発エリアで賃貸業を営むSさんに提示された立ち退き料は、弁護士が介入することで当初の13.27倍、約2億5千万円以上の増額となりました。

事例2)当初の約3倍、1億5千万円以上の増額例

再開発エリアでT社(物販店)に提示された立ち退き料は、弁護士が介入することで当初の約3倍、約1億5千万円以上の増額となりました。

事例3)当初の約4.5倍、7千万円近い増額例

再開発エリアでO社の飲食店に提示された立ち退き料は、弁護士が介入した結果、最終的に当初提示額の4.47倍、6,991万円の増額となりました。

リード法律事務所では、再開発の立ち退きに関する交渉では、初回相談はもちろん、増額が実現するまでは弁護士費用を無料としています。

自分の店舗が都市再開発の対象になりそうだ」
他へ移転するのか、新しいビルでお店をやるのか早く選んでくれと言われている」
「提示された立退料に不満があるが、どう交渉していいのか分からない」

といったことでお困りなら、まずはぜひ気軽に相談してみて下さい。

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