解決事例 CASE

詐欺罪

自分に返済能力があるかのように偽り、2000万円の貸付をさせて行為について、詐欺罪の刑事告訴が受理された案件

事件の概要
相談者A(30代・女性)は、交際相手B(40代・男性)より、「自分の銀行口座が凍結されてしまい、お金を引き出すことができない状態で困っているので、お金を貸してほしい」と要求された。
Aは、何の担保もなくお金を貸すことを躊躇したが、Bから「自分の銀行口座には1億円が入っているので安心してほしい」と言われたため、Bの言葉を信じ、数年間に渡って合計2,000万円を貸し付けた。
Bは「〇日までに一括で返す」と言っていたものの、返済期限を過ぎても一切返済されることはなかった。
そこで、Aは、Bに対して刑事責任を追求できないかと考え、当職に相談するに至った。
解決結果
自分に返済能力があるかのように偽り、借りたお金を一向に返済しない行為が詐欺罪に該当するとして、同罪の刑事告訴が受理された。
ポイント
返済期限を過ぎても返済してくれないことは民事法上の債務不履行には該当するものの、これを犯罪として構成できるかが問題となった。本件では、Bの行為が詐欺罪に該当するとして、事実関係の整理及び構成要件の確認を行うこととした。

詐欺罪が成立するためには、財物を交付する前提となる重要な事実を偽る「欺罔行為」が行われる必要があるところ、本件においては、Bが「自分の銀行口座には1億円が入っている」と説明したことで、Aは「Bには資力・返済能力がある」と考えて多額の金銭を貸し付けている。
そこで、「自分(B)の資力及び返済能力を偽ることは、相手方(A)の財物交付の前提となる重要な事実を偽る行為であるといえ、欺罔行為に該当する」と構成した。

また、詐欺罪においては、被害者(A)に財産的損害が発生している必要があるところ、本件では、AはBに対して貸金返還請求を行うことができる状態だったことから、Aに財産的損害が発生したといえるかも問題となった。
この点、財産的損害については、「AがBに対して再三にわたって返済の督促を行ったにもかかわらず、一切返済されていないことから、事実上貸金の回収が不可能となったといえ、Aに損害が発生したといえる」と構成した。

上記の通り、Bの行為は詐欺罪の構成要件を満たすものであることを具体的に説明することによって、詐欺罪での刑事告訴が受理された。

本件のように、貸したお金が一切返ってこないにもかかわらず、民事上の手続きでの対応が難しい場合には、詐欺罪として刑事告訴することで問題が解決する場合があります。お困りの際は、まずは1度弁護士にご相談ください。

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