解決事例 CASE

詐欺罪

虚偽の理由で金銭を交付させた行為について、詐欺罪の刑事告訴が受理された案件

事件の概要
A(30代・男性)は、客として通っていたキャバクラに勤務するB(20・代女性)から、「父親や元交際相手の借金の連帯保証人になっており、その返済に追われているので助けてほしい」などと言われ、複数回にわたり合計約5,500万円ほど金銭を貸し付けた。
その後、支払ったお金の返還を何度も求めたが、結局1円も返金してくれない状況が続いている。
警察には相談したものの、詐欺事件として立件するのは難しいと断られてしまった。
そこで、刑事告訴を通してBから貸し付けた金銭を回収するために、当職に相談するに至った。
解決結果
Bが、Aに対して虚偽の理由により金銭を交付させた行為が、Aに対する詐欺罪を構成するとして、同罪での刑事告訴が受理された。
ポイント
Aは、当事務所に依頼する前に、3つの弁護士事務所へ相談に行ったが、いずれも断られている。
・X弁護士事務所では、民事での対応を進められたが、Aは、民事でお金を取り戻すのは困難だと判断し、依頼しなかった。
・Y弁護士事務所では、「何をやっても取り返せない」と言われて断られた。
・Z弁護士事務所では、「相手方に貸し付けを行ったものとして返金請求を行うことを検討したが、貸付の証明が難しい」として、断られてしまった。

この点、たしかに、Z弁護士事務所が指摘する通り、AはBに対して貸し付けを行っているものの、現金を直接手渡ししているものもあることから、貸し付けの証明は困難であった。
また、AのBに対する債権(貸金返還請求権)が残っている以上、そもそも損害が発生していないとも考えられた 。
この点については、AはBから1円も返金を受けていなかったことから、AのBに対する支払いの実態は「貸付」ではなく「贈与」であったと構成し、Aに損害が生じたとして、詐欺罪が成立することを立証した。

また、Bが詐欺を行っている(Bが主張する「借金の連帯保証人となっている」という事実が虚偽である)直接的な証拠はなかったが、Bの主張に不自然な点が複数みられたことから、これを詳細に指摘することで、これらの事実が虚偽であることを立証した。

本件の場合、Aは、数年間に渡って総額約5,500万円を騙し取られているが、手渡しで現金を交付しているものが多く、金銭を費消・散逸してしまう可能性が極めて高かった。そのため、すべての支払いについて検討・立証して告訴を行う時間的猶予がなかった。Aが支払った金銭が費消・散逸してしまう前に、最速で告訴をしてBを追い詰める必要性の高いケースでもあった。
そこで、弊所では、被害額が高額であり、かつ、比較的立証がし易い詐欺行為に限定して告訴を行うこととした。

他の弁護士事務所では対応できないとされた事案でも、刑事告訴を行うことで問題を解決できる場合があります。貸したお金が返ってこない場合でも、ぜひ諦めずにご相談ください。

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