解決事例 CASE

窃盗罪

介護職員がクレジットカード等を窃取した行為について刑事告訴が受理された案件

事件の概要
A(40代・女性)は障害者総合支援法による障害支援区分6の認定を受け、自立歩行が困難な障害を抱えていた。Aの自宅には複数名の介護士が日常的に出入りしていた。Aがクレジットカードの利用明細書を確認したところ、覚えのない利用履歴が複数記載されていることに気づいた。

B(30代・女性)はAの自宅に出入りする介護職員で、AはBの勤務態度に問題があり怪しいと感じていたものの、決定的な証拠を掴めずにいた。
そこで、クレジットカードを不正利用した人物に対して、刑事責任の追及を行うことを目的として当職に相談するに至った。
解決結果
BがAの自宅からクレジットカードを窃取した行為について、窃盗罪(刑法235条)に該当するものとして、刑事告訴が受理された。
Bは起訴された後、刑事裁判が開かれ、Bに対して罰金刑が確定した。
ポイント
A名義のクレジットカードが何者かに複数回利用されていることは、利用履歴から明らかであった。しかし、その利用がBの犯行であることを裏付ける証拠を欠いていた。

そこで、警察を介して、不正利用が疑われる店舗に連絡をとり、防犯カメラの映像を提供してもらった。そのうち、ガソリンスタンドでの利用について、犯人の車と性別、体格、服装などの映像が出たものの、映像が不鮮明で決定的証拠にはならなかった。また、飲食店での不正利用した際の防犯カメラの映像は保存期間が切れており、映像を確認できなかった。しかし、その際のレシートを分析すると、ポイントカードにポイントが付与されていた。当職の調査により、ポイントのIDからポイントカード保有者を割り出せることが判明し、その旨警察に情報共有したところ、同ポイントカードのIDからBが利用していたことを突き止めることができた。

また、A名義のキャッシュカードで銀行においてキャッシングがなされようとした事実も発覚し、銀行の防犯カメラの映像にBの姿態が写っていた。
上記のような捜査を行い、Bを逮捕し、Bはその後起訴され有罪判決を受けるに至った。

刑事告訴を行うには、犯罪事実の特定が必要であり、犯人が誰か特定できていることが望ましい。しかし本件のように犯人が誰か不明な状況においても、警察に対して、犯人を特定できる情報の提供があれば、犯人が不明が状況においても、刑事告訴を受理してもらえる可能性がある。犯人が誰かが不明な事件であったとしても、刑事事件の追及については諦めず、警察を粘り強く説得することが重要である。

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