解決事例 CASE
強制性交罪
泥酔状態でのレイプ被害について、強制性交致傷罪で刑事告訴が受理された案件
- 事件の概要
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A(20代・女性)は深夜0時にホストクラブに入店し、明け方の3時頃まで飲酒を継続し、泥酔状態となり同店のカウンターに突っ伏して眠り込んでしまった。
Aが午前5時頃目を覚ましたところ、同ホストクラブのスタッフB(20代・男性)、店の外に連れ出された。Aは泥酔状態であり、なす術もなくBに数分間強引に手を引かれて歩き、屋外の駐車場に連れて行かれ、Bの性器を無理矢理挿入された。
なお、屋外の駐車場に辿りつくまで、Aは数回転び、全治2週間の裂傷を複数個所に負っている。
Aは、事件の翌日警察署に相談に行き、警察は膣内に残った犯人の精液を採取するなどし、Aが何者かに無理矢理性行為をされたことが明らかな状況であったたにも関わらず、刑事告訴の受理を断られた。Bに対する刑事責任の追及を求め、当職に相談するに至った。
- 解決結果
- Bの泥酔状態にあるAを無理矢理性交し怪我をさせた行為について、刑法第181条2項(強制性交等致傷罪)、同法第178条2項(準強制性交等罪)に該当するものとして刑事告訴を行い、同告訴は受理された。
- ポイント
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Aが警察から刑事告訴の受理を断られた理由は、犯行場所についてのAの記憶が曖昧であり犯行場所が不明であること、AはBとの面識がなくBが誰であるかを特定できない点であった。
この点については、当職より警察に対して以下のように説得した。すなわち、犯行場所について、仮に不明であったとしても、歩いた時間と店の所在場所などから駐車場の位置はある程度割り出せること、刑事告訴を受理したうえで、犯人を取調べすれば判明すること、そもそも、犯行場所について捜査することは警察の役割であり、それが出来ないという理由で刑事告訴の受理を拒む理由には全くならないこと、万一、駐車場の位置が不明であったとしても、起訴するうえで支障はない事を説明し、この点の問題をクリアした。
また、Bが誰か不明である点については、店舗に赴き従業員から聞き取りを行うなどして割り出しは十分可能であること、また、Aは泥酔状態になるまえ、Bとラインを交換していたところ、ラインのIDから個人を特定する方法により犯人の割り出しも可能である、この点についても警察官を説得し、刑事告訴を受理させた。
本件のように、犯行が起きたことが明らかな場合であっても警察は刑事告訴を受理しないことが多い。このような場合、警察が告訴を断る理由を明らかにし、これを一つ一つクリアしていくことにより刑事告訴は可能である。
当職の扱う事件のほとんどは、既に警察に被害届や刑事告訴の受理を断られた案件である。警察に被害届や刑事告訴を断られた場合も諦めず、当職まで相談して欲しい。