解決事例 CASE

名誉毀損罪

インターネット上の誹謗中傷行為について、名誉毀損罪による刑事告訴が認められた案件

事件の概要
A(30代・男性)は、既婚者のB(30代・女性)と同僚として食事をしたところ、Bの夫CがAB間において不貞行為があったものと誤信してAを逆恨みし、Aの勤める会社のお問合せフォームからAが社内で不貞を行っているなどのメッセージを繰り返し拡散した。
解決結果
Cの拡散行為について、名誉毀損罪に該当するものとして刑事告訴を行い、同告訴は受理された。また、Cはその後起訴され、罰金刑の判決が確定した。
ポイント
刑事告訴を行うにあたり、メッセージを拡散している犯人を割り出す必要があったが、Aの勤める会社にメッセージを拡散している者がCであることを裏付ける証拠が無かった。そこで、Cの住所宛に、弁護士から通知文を送付して自白を引き出すこととし、メッセージの拡散を暗に認める返信を受領したため、これをもってCが犯人であることの自白証拠とし、この点の問題をクリアした。

また、Cによる嫌がらせは、Aの勤める会社への拡散行為以外にも、家族が暮らす自宅への怪文書の送付など多岐に渡っており、Aは精神的にかなり追い詰められていた。Aは刑事告訴を行った場合、Cから更なる報復的な嫌がらせを受けるのではないかと恐怖感を感じていた。しかし、当職の経験から報復の可能性は低い旨説明し、刑事告訴を行い、その結果、Cは刑事責任を受け入れて反省し、実際にCからの嫌がらせは完全に無くなった。

報復を恐れて刑事告訴を行うことを躊躇する方が一定数存在する。
確かに、当事者のみで協議や任意交渉を進めると、ごく稀に報復される事例が存在する(当職は任意交渉においても当職及び依頼者が報復に遭った経験は無い。)。
しかし、刑事告訴を行った場合、刑事手続きを進め、実際に刑事罰を発動させるのは、警察、検察、裁判所などの中立・公平な国家機関である。当事者同士で、犯罪である旨指摘しても疑問を残すが、警察や検察、裁判所などの専門の国家機関から犯罪であると指摘を受け、刑事手続きにより刑罰権を発動させることは国家権力そのものの作用であり、これに疑問を持ったり、国家機関に対して報復を考える者は少ないであろう。

警察は、逮捕・勾留などの強制処分を行う強大な権限を持っており、そのような警察から捜査を受けながら、告訴を行ったことについて報復を考える者は実際には少ない。

報復を恐れて刑事告訴を躊躇している方がいれば、そのような心配は大抵の場合不要である。

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