解決事例 CASE
詐欺罪
投資詐欺(ポンジスキーム)について詐欺罪で刑事告訴が受理された案件
- 事件の概要
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A(50代・女性)は、B(30代・男性)から、マンションや高級外国車を対象とした投資運用を行う旨持ち掛けられた。Aは、Bに対して出資を行ったところ、約束通り一定の配当があった。Bを信用したAは、1年半の間に約2億円の出資をしたところ、一部配当金が支払われたのみで、その後支払が途絶えてしまった。
後に同投資取引は全て実態の存在しない虚偽・架空の取引であったことが判明した。Aは、Bに対する刑事責任の追及を求め当職に相談するに至った。
- 解決結果
- Bの、真実は実体の存在しない虚偽・架空の取引であったにもかかわらず、これがあるかのように偽り、Aに約2億円以上出資させた行為について、詐欺罪に該当するものとして刑事告訴が受理された。
- ポイント
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本件はAが事前に警察に告訴の相談に行ったが、証拠がない、民事不介入との理由により告訴を断られた案件であった。
確かに、AB間の投資について契約書が存在しなかった。しかし、計画的に詐欺行為を働く犯人が、わざわざ自己に不利な証拠を作ることはむしろ稀である。この点については、AB間の送金履歴や当事者間のメール・ラインなどのやり取りを整理して提出することでクリアした。
もっとも、証拠を集めることが捜査機関たる警察の役目であり、その証拠が無いことを理由に刑事告訴の受理を断ることは本末転倒である。
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警察からこのような反論はよくあるが、証拠を充足させることの他、そもそも、証拠が足りないことをもって刑事告訴を拒否できないことについて理解させることが重要である。
また、民事不介入についても、犯罪被害者が警察の介入を求める以上、同原則は妥当しない。警察官の理解を促し、この問題についてもクリアした。
証拠が足りない、民事不介入という理由で刑事告訴を拒否されることは多いが、そのような場合にも警察官の誤った理解を正し、粘り強く交渉することで刑事告訴は可能である。
そのような理由で告訴を断られた方にも、是非ご相談頂きたい。