目を指で突いた行為について刑事告訴が受理された案件

事件の概要: A（30代、女性）は会社に通勤する際、歩道でB（40代・男性）と言い争いになり、口論の末、目を指で突かれた。

Aはその場で警察を呼び、臨場した警察官に対し傷害事件として告訴したい旨説明したものの、Bが犯行を否認したこともあり、警察官からその場で注意があったのみで、いわゆる微罪処分とされ、刑事事件として扱ってもらえなかった。

そこで、AはBに対する刑事責任の追及を求め当職に相談するに至った。

ポイント: 本件について、軽微な事件であり警察が介入すべきでないとする、いわゆる微罪処分として刑事事件として扱ってもらえない点が問題であった。微罪処分とされると、事件が検察に送検されず、刑事責任を問えなくなる。

しかし、犯罪の被害者が刑事処罰を望んでいる状況で、警察の一存のみで事件を終わらせるべきではない。刑事告訴を受理させると、警察に検察に対する書類送検義務を負わせることになり、微罪処分として事件を終了させる行為を防ぐことができる。

微罪処分として処理されることを防ぐべく、刑事告訴の相談に訪れても、警察の態度は変わらなかった。そこで、警察法79条に基づき、公安委員会に対して苦情を申立てたところ、刑事告訴は無事に受理された。

本件のように、微罪処分として処理されてしまった案件についても、刑事告訴を行うことで、書類送検され、検察官による適切な処分を受けることができる。
微罪処分として処理されてしまっても、刑事責任の追及は可能なので、諦めないで欲しい。