解決事例 CASE

名誉毀損罪

Webサイト上で特定の人物に関する事実無効の投稿をした行為について、名誉毀損罪の刑事告訴が受理された案件

事件の概要
相談者A(20代・男性)は、Bという名称を用いて某SNSで投稿を行っていた。
Aはある時、Webサイト上で、AがB名義で利用しているSNSアカウントを引用し、「Bが詐欺行為を行っている旨の投稿を発見した。
Aが詐欺行為を行った事実は存在しなかったため、詐欺行為を行っているとの投稿は全くの事実無根であった。
Aは、上記虚偽の投稿が名誉毀損にあたると考え、別の弁護士に刑事告訴を依頼したが、警察から「公然性が認められない」と説明され、受理を拒否された。
そこで、なんとか同罪での刑事告訴を認めてもらうために、当職に相談するに至った。 
解決結果
Webサイト上で、特定の人物に対して「詐欺行為をしている」などと指摘する投稿が名誉毀損罪に該当するとして、同罪の刑事告訴が受理された。
ポイント
名誉毀損罪が成立するためには、「公然と事実を適示し人の名誉を毀損」する必要がある。
本件では、上記のとおり、投稿について公然性が認められるかが問題となった。
この点、「公然性」の要件については、警察に対し、「Webサイトに投稿が掲載されている以上、不特定または多数人が当該投稿を閲覧できるといえることから、当然に公然性が認められる」と説明し、この点の問題をクリアした。
次に、名誉毀損罪が成立するためには、「投稿によって現実に存在する人の社会的評価が低下した」といえることが必要であるところ、WebサイトにはAの氏名(本名)が掲載されていないため、「Bは詐欺行為をしている」という投稿が、Aの社会的評価を低下させるものであることを立証する必要があった。
この点について「投稿によってAの社会的評価が低下させられる」という点については、Aは、Bの名称を用いて利用しているSNS上に自分の顔写真を投稿したり、現実世界で出会った人に対して、自分はBである旨を名乗り出ていたことがあったため、「BがAであることを知っている者が多数存在するため、Aの本名が掲載されていなくても、本投稿は、Aの社会的評価を低下させるものである(投稿を見て「Aが詐欺行為をしている」と考える人が多数存在する)」と説明し、この点もクリアした。
上記の通り、本件投稿が、名誉毀損罪の構成要件を満たすことを具体的に説明することで、同罪の刑事告訴が受理された。

本件のように、Webサイト上で仮名を使っていたとしても、その人物が現実の人物と結びつけられる場合には、名誉毀損罪での刑事告訴が受理される可能性がある。
インターネット上での被害は、放っておくと被害回復が困難になってしまう可能性が高いので、被害に遭ったら弁護士に相談することをお勧めする。

メニュー

お問い合わせ・相談

記事カテゴリー

03-6807-5708 受付時間 平日 9:00~21:00 LINE相談 相談フォーム