解決事例 CASE

私文書偽造罪

犯罪の直接の被害者ではない第三者が、刑事告発によって相手方の刑事責任を追求できた案件

事件の概要
相談者A(40代・男性)の娘B(17歳)が病院で手術を受けることになったが、Bは当時未成年者であったため、手術の同意書につき、親権者であるAの署名も提出して欲しいと病院から説明された。
Bは、Aから署名をもらおうとしていたところ、Bの交際相手C(20代・男性)が、Aの許可を得ることなく、手術の同意書にAの氏名を書き込んで、これを病院へ提出した。
Aは、Cが自分の氏名を無断で手術の同意書に書き込んで提出した件につき、警察へ被害届を出しに行ったが、「本件の被害者は同意書が提出された病院であるため、Aからの被害届は受け付けられない」といわれてしまった。
Aは、なんとかしてCに刑事責任を追求できないかと考え、当職に相談するに至った。
解決結果
Cが、Aの許可を取ることなくAの氏名を手術の同意書に書き込み、その同意書を病院に提出した行為が、有印私文書偽造・同行使罪に該当するとして、同罪の刑事告発が受理された。
ポイント
本件においては、Aは犯罪の直接の被害者ではなかったことから、刑事告訴を行うのは難しいと考えられる事案であった。
そこで、犯罪の直接の被害者ではない第三者が犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める手続きである「刑事告発」を行うこととした。
その上で、当職は、「CがAに無断で手術の同意書にAの氏名を書き込んでこれを病院に提出する行為は、有印私文書偽造・同行使罪の構成要件を満たすものである」ことを具体的に警察に主張した。その結果、同罪での刑事告発が受理された。

本件のように、相談者が犯罪の被害者と認められない可能性がある事案であっても、「刑事告発」を行うことで、犯人に対して刑事責任を追及できる場合があります。警察から「直接の被害者ではないから被害届は受け付けられない」と言われてしまった場合でも、まずは弁護士に相談することをお勧めいたします。

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