リベンジポルノの写真をメールで送られたらどうしたらいい?
この記事では、リベンジポルノの写真をメールで送られてしまった場合について解説をします。以下の内容でお困りの方はぜひ参考にしてください。
- 元彼に撮られた裸の写真がメールで出回っている
- メールで送られたリベンジポルノ写真を消去してほしい
- 加害者の処罰や慰謝料を求めたい
メールで送られたリベンジポルノ写真を消去する方法
メールで送られたリベンジポルノ写真を消去するには、そのメールを受信した人に対して、一人一人、写真を消去するように依頼するしかありません。
SNSやネット上の掲示板サイトなどにリベンジポルノ写真がアップされた場合なら、SNSやサイトの管理者、プロバイダなどに写真の削除を請求できます。しかし、メールによるリベンジポルノの場合は、このような方法が使えないのです。
いったんメールで写真が送信されると、受信した人がそのメールを消去しない限り、写真は受信した人のスマートフォンやパソコン等の端末に残ってしまいます。メールサービスを提供している通信会社も、利用者の端末に残っている写真を消去することはできません。
また、その写真の消去を強制的に求める法律上の手段も存在しません。
そのため、メールでリベンジポルノ写真が送られた場合には、受信した人に対して個別に対応するしかないのです。
メールによるリベンジポルノの特徴
メールによるリベンジポルノでは、SNSやネット上の掲示板サイトによる場合よりも、友人や知人にプライベートな写真を見られる可能性が高いため、深刻な被害が生じやすいという特徴があります。
加害者はメールアドレスを知っている人にしかリベンジポルノ写真を送ることはできませんが、その相手の大半は友人や知り合いなどでしょう。その中には、被害者の友人や知り合いが含まれている可能性もあります。少なくとも、被害者のことを知っている人が含まれている可能性は高いはずです。そのため、友人や知人にリベンジポルノ写真を見られてしまう可能性が高いのです。
もっとも、メールは基本的に非公開の媒体なので、SNSや掲示板サイトなど公開されている媒体に比べて拡散性は低いといえます。それでも、リベンジポルノ写真を受信した人が興味本位でまた別の友人・知人に送信することがあります。そのため、ネズミ算式に拡散されてしまう可能性があるということを考えておかなければなりません。
したがって、広く拡散されてしまう前に対処することが重要といえます。
加害者の法的責任
リベンジポルノ写真をメールで送信した加害者に対しては、刑事上の責任と民事上の責任を追及することができます。
メールによるリベンジポルノにおける現実的な対処法は、加害者の法的責任を追及して示談交渉を行い、示談の条件として写真の拡散をやめるように求めることです。
刑事上の責任
メールでリベンジポルノ写真を拡散する行為は、リベンジポルノ防止法違反などの犯罪に該当します。したがって、警察に加害者の処罰を求めることができます。
ただし、警察に相談したり、被害届を提出するだけでは警察が動いてくれないケースも多くあります。その場合は、刑事告訴をする必要があります。
刑事告訴をするには、告訴状という書類を作成し、一定の証拠と一緒に警察へ提出します。
告訴が受理されると、加害者は処罰を免れたり、刑を軽くする目的で示談交渉を持ちかけてくることが多いです。その際に、リベンジポルノの写真の拡散をやめるように求めると効果的です。
民事上の責任
加害者に対しては、民事上の責任追及として慰謝料の請求もできます。
慰謝料請求は裁判でもできますが、加害者との話し合いによって和解することも可能です。慰謝料の話し合いの中でリベンジポルノの写真の拡散をやめるように求めることも効果的なので、じっくりと話し合うようにしましょう。
加害者と直接話し合いたくない場合は、弁護士に依頼すれば話し合いを代行してもらえます。その場合は、リベンジポルノ被害相談センターまでご相談ください。
メールによるリベンジポルノについてよくあるご質問
Q.メールでリベンジポルノ写真を送った加害者はどれくらいの刑罰を受けますか。
A.事案にもよりますが、リベンジポルノ防止法上の提供罪として、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性が高いです。
加害者に特段の前科がない場合は、20万円~30万円程度の罰金となるケースが多くなっています。
なお、加害者の行為の内容によっては他の犯罪が成立することもあり、その場合はさらに重い刑罰が科される可能性もあります。
Q.メールによるリベンジポルノで慰謝料はどれくらいもらえますか。
A.相場としては、50万円~100万円程度です。
ただし、メールによるリベンジポルノでは友人・知人にリベンジポルノ写真を見られる可能性が高いため、深刻な被害を受けた場合には相場を超える慰謝料をもらえることもあります。
一方で、拡散された範囲が狭く、被害の程度がさほど深刻でない場合は相場を下回ることもあります。
実際の慰謝料額は事案の内容や、加害者との交渉によっても異なってきます。弁護士に依頼して交渉してもらうことで、慰謝料を増額できる可能性が高まります。気になる方は、リベンジポルノ被害相談センターまでご相談ください。
Q.刑事告訴や慰謝料請求をするためにはどのような証拠が必要ですか。
A.リベンジポルノ写真が送信されたことと、そのメールを加害者が送信したことの証拠が必要です。
具体的には、第三者のスマートフォンやパソコン等の端末に加害者から送信されたメールおよび写真が表示された画面を撮影した写真を用意するのが一般的です。
そのためには、メールを受信した人の中から協力者を探すことが必要です。
Q.弁護士に依頼すればメールで送られたリベンジポルノ写真を消去してもらえますか。
A.リベンジポルノ写真を受信した人のうち、連絡がとれる人に対しては写真を消去するように交渉します。ただし、任意の交渉となるため、確実に消去してくれるとは限りません。
それだけに、メールによるリベンジポルノでは、受信者を探し出して写真の消去を求めるよりも、その写真に写っているのは自分ではないと言い張る方が得策となる場合もあります。
リベンジポルノ写真の消去を求めることは、写っているのが自分であることを認めることになるため、相手によっては消去を求めず放置した方がよいこともあります。
このあたりの対応をどうするかは、写真の内容やその他の様々な事情に応じて検討することになります。慎重な判断が必要となるので、リベンジポルノ被害相談センターへご相談ください。
Q.今後リベンジポルノをやめてもらうためにはどうすればいいですか。
A.加害者の法的責任を追及した上で、示談交渉の中で今後リベンジポルノを止めるように求めることです。こうすれば、ほとんど加害者は今後のリベンジポルノ行為を思いとどまるようになります。
加害者を説得するには、有力な証拠を確保しておくことが重要です。証拠を確保しにくいときは、リード法律事務所までご相談ください。