リベンジポルノで写真が流出したかもしれない場合どうすればいいの?
目次
リベンジポルノとは
リベンジポルノとは、元恋人や元配偶者が、別れたことに対する腹いせに裸の画像や性的な動画などをインターネットなどで公開する行為のことをいいます。
SNSやインターネット上の掲示板などに性的な画像や動画がアップロードするケースが多く見受けられます。悪質なケースでは、被害者の実名など個人情報と一緒に公開するというものもあります。
いったん性的な画像や動画がインターネットにアップロードされると一気に拡散され、世界中に出回ってしまうという特徴があります。
出回ってしまった画像や動画のすべてを削除することは非常に困難となるため、リベンジポルノで写真が流出することは何としても避けなければなりません。
もし流出してしまった場合は、ただちに対処する必要があります。
リベンジポルノの被害事例
実はリベンジポルノは多数発生していると考えられますが、公開された画像や動画の大半は顔が映っていなかったり、モザイク処理が施されたりしたものです。
このような画像や動画を第三者が見ても被写体が誰であるのかを特定できないため、流出しても撮影された本人に実害はほとんどありません。
ただし、流出の被害に気づきにくいという問題はあります。
それに対して、被写体が特定できるような画像や動画が流出したり、実名などの個人情報と一緒にアップロードされてしまった場合は深刻な被害が発生してしまいます。
ここでは、実際に会ったリベンジポルノの被害事例をいくつかご紹介します。
女子大学生の実名や大学名まで公表された事例
2016年、元交際相手である女子大学生の裸の胸などが映った動画をSNSに投稿したとして、28歳の男性が逮捕されました。
このケースでは、女子大学生の実名や大学名も合わせて投稿されたため、大きな話題となってしまいました。
金銭を得る目的で性的な画像が公開された事例
2020年1月、元交際相手の女性との性的行為を撮影した画像をSNSに投稿したとされる33歳の男性が有罪判決を受けました。
この男性は経済的に困窮しており、金銭を得ることを主な目的として性的な画像を公開したとのことです。
リベンジポルノの被害に遭うのは、元彼から恨みをもたれている場合ばかりではありません。
ストーカー殺人事件にまで発展した被害事例
2013年、元交際相手の女子高校生に復縁を拒否された男性が、逆恨みをしてストーカー殺人に及んだ「三鷹ストーカー殺人事件」が発生しました。
この男性が殺害行為に及ぶ前に女子高校生の裸の画像や動画をインターネット上に公開していたことから、リベンジポルノの問題が社会的な注目を集めるようになりました。
リベンジポルノが社会問題化したことから、2014年にリベンジポルノ被害防止法が国会で成立しました。
リベンジポルノ写真が流出するか不安なときにやるべきこと
元彼に性的な画像や動画を撮られたことがあるものの、特に問題が起こっていない場合は、元彼に対して画像や動画を消去するように求めた方がよいでしょう。
ただし、画像や動画は簡単に別の媒体に保存することが可能なため、元彼が完全に消去するとは限りません。
場合によっては、元彼を刺激することによって画像や動画を公開されてしまうおそれもあります。状況に応じて対応を考える必要があるため、弁護士にご相談ください。
一方、元彼から「裸の写真をばらまくぞ」などと脅されて復縁や金銭を要求されている場合は、脅迫罪や恐喝罪、強要罪などが成立する可能性があります。
このような場合は警察に被害届を提出することができますが、警察がすぐには動いてくれないこともあります。
そんなときは、弁護士にご相談の上、刑事告訴をした方がよいでしょう。
リベンジポルノ写真が流出してしまったときにやるべきこと
いったんリベンジポルノ写真が流出してしまうと、またたく間に拡散されてしまうおそれがあるため、迅速に対処することが必要です。
具体的には、次の3つの対処をとることができます。
削除請求
最も大切なことは、流出してしまった画像や動画を早急に削除することです。
まずは、画像や動画がアップロードされたSNSや掲示板サイトなどの運営者に連絡して、削除を求めましょう。
ただ、それで必ずしも削除されるとは限りません。削除されない場合は、裁判所に仮処分という手続きを申し立てることによって削除命令を出してもらうことができます。
仮処分の手続きは複雑なので、弁護士に相談された方がよいでしょう。SNSやサイトの運営者に削除請求する場合も、弁護士名で行った方が削除される可能性が高まります。
民事上の損害賠償請求
リベンジポルノ写真を流出させた相手に対しては、慰謝料などの損害賠償を請求できます。
ただ、間違いなく相手がその画像や動画をアップロードしたという証拠を確保するために、発信者情報開示請求という手続きを行う必要があります。また、相手が素直に話し合いに応じない場合には裁判が必要になることもあります。
これらの手続きも、弁護士に依頼された方が安心できるでしょう。
刑事告訴
性的な画像や動画を本人の同意なくインターネットなどで公開することは、リベンジポルノ被害防止法に違反する犯罪です。
したがって、公開した相手を刑事告訴することもできます。近年は、リベンジポルノ被害防止法違反で逮捕される人が増えています。
ただ、警察に相談するだけでは動いてもらえない場合がありますし、刑事告訴をするためには告訴状を書いたり、証拠を提出したりしなければなりません。
被害者の方がご自分で行うにはハードルが高く、精神的負担も大きいものです。そのため、弁護士にご相談いただいた方がよいでしょう。
リード法律事務所での対応
当事務所でリベンジポルノのご相談を受けた場合は、今すぐ対処すべきことや今後の見通し、注意点などについて丁寧にご説明させていただきます。
そのうえで、流出してしまった画像や動画の削除請求や相手方との話し合い、裁判手続きの代理から刑事告訴まで対応いたします。
弁護士は守秘義務を負っていますので、プライベートなことも安心してご相談ください。
リベンジポルノについてのよくあるご質問
Qリベンジポルノ写真が流出したかどうか調べる方法はありますか。
Aエゴサーチといって、ご自分の氏名で検索することによって流出した写真が見つかる場合もあります。その他には、相手が利用しそうなSNSやサイトを閲覧する方法があります。
Q流出させないためにはどうすればいいのでしょうか。
A相手方と話し合うことによって、流出を阻止できる場合があります。ただ、状況によって話し合いが難しい場合もあるので、弁護士にご相談ください。
Q削除請求してから削除されるまでの期間はどれくらいですか。
ASNSやサイトの運営者が削除請求に応じる場合は、大半のケースで3日以内に削除されているようです。弁護士から削除請求を行うことで、より早く確実に削除できる可能性があります。
Q削除するにはどうすればいいのでしょうか。
Aまずは、SNSやサイトのWebホームから削除要請を送信します。リベンジポルノの場合は多くの場合、これで削除できます。もし削除できない場合は、裁判所に仮処分を申し立てます。
Q流出した写真をすべて削除することはできますか。
A発見した写真については、すべて削除請求や仮処分の申し立てを行うことができます。しかし、拡散されてしまった後ではこれらの手続きが間に合わないこともあります。流出されてしまったら、迅速に対処することが重要です。
Q削除請求だけを依頼することはできますか。
Aできます。リベンジポルノ写真が流出してしまったら、何よりもまず削除請求をすることが大切です。その後の損害賠償請求や刑事告訴のご依頼については、ゆっくりご検討いただけます。
Q慰謝料は確実にもらえますか。
A確実とまではいえません。流出した画像や動画の内容や、拡散された度合いなどによって慰謝料の金額は前後します。ただ、リベンジポルノは被害者の人格権を著しく侵害する悪質な行為です。一般的な名誉毀損のケースよりは慰謝料が高額となる傾向にあります。
Q相手方は有罪になるでしょうか。
A確実に有罪になるとはいえません。被害の程度が軽く、相手方が初犯で深く反省しているような場合は起訴されないこともあります。ただ、罰金刑であっても有罪となる確率は低くありません。