詐欺被害にあったら

最終更新日:2024.03.22

SNS詐欺とは?詐欺の手口と対処法、刑事告訴のポイントについて解説

近年、SNSを利用した詐欺が急増しています。手口が巧妙であり、中高年のみならず若年層も被害に遭いやすい点が特徴です。被害に遭った際には、金銭返還や犯人への刑事罰のために、泣き寝入りせずに弁護士に相談しましょう。

この記事では、SNS詐欺の手口や対処法、刑事告訴する際のポイントなどについて解説しています。SNS詐欺の被害に遭われた方は、ぜひ最後までお読みください。

急増するSNS詐欺、その手口とは?

Facebook、Instagram、X(旧Twitter)といったSNSは若者を中心に浸透しており、いまや人々の生活に欠かせないものです。

SNSには、気軽に人とつながり情報を収集できるメリットがあります。反面、一歩間違うと悪意を持った他人から接触されるリスクも抱えています。

特に近年社会問題となっているのが、SNSを利用した詐欺です。

SNS詐欺の特徴は、被害者の年代が幅広い点にあります。オレオレ詐欺など従来の特殊詐欺では高齢者がターゲットにされるケースが多かったのに対して、SNS詐欺は若年層も被害に遭いやすいです。

SNS詐欺の手口は様々ですが、代表的な事例としては以下が挙げられます。

有名人・インフルエンサーへの「なりすまし」

まずは、SNS上で有名人やインフルエンサーになりすまし、詐欺行為に及ぶ事例があります。有名人の知名度を利用して被害者を安心させ、お金を騙し取る点が特徴です。

例としては、著名なIT経営者の名前と写真を無断で利用して「投資を教える」「元手が10倍になる」などと謳って資金を投じさせ、実際にはお金を一切返さないケースが挙げられます。「自分もお金持ちになりたい」「あの有名人が言っているなら大丈夫」といった被害者の心理を巧みに利用する手口です。

他にも、慈善活動への募金を呼びかける、アイドルのファンにDMでライブへの特別招待を伝えるなど、様々な方法があります。いずれにしても、無断で有名人やインフルエンサーを名乗り、知名度や信頼を利用して巧みに金銭を騙し取る悪質な手口といえます。

広告からの誘導

SNSに掲載される広告から誘導し、お金を騙し取るケースも後を絶ちません。

たとえば、「投資のアドバイスをする」と謳った広告をFacebookに掲載し、LINEへの登録を促す事例があります。LINEに登録するとグループでの会話がなされていて、講師役の人物と直接やり取りができるなど、被害者を信用させようとします。他の受講生を装って「先生のおかげで儲かりました」とのメッセージまで送られるなど、手口は巧妙です。

本来であれば、詐欺広告が堂々と掲載される事態はあってはなりません。SNSの運営事業者は対策を講じてはいますが、詐欺広告が規制をかいくぐってくる事例も多く、対応が追いついていないのが現実です。

インフルエンサーを利用

フォロワーが多いインフルエンサーに広告の掲載を持ちかけ、広告を信用したフォロワーから金銭を騙し取るケースもみられます。

たとえば、犯人がインフルエンサーに依頼して「登録だけでポイント進呈」との内容の広告を掲載させる事例です。信用したフォロワーがクリックすると実際には消費者金融に登録させられ、犯人がIDとパスワードを利用して借り入れを行い金銭を得てしまいます。被害者は借り入れをしたつもりがないのに、気がつくと借金を背負っている結果になるのです。

こうしたケースでは、フォロワーはもちろん、広告を掲載したインフルエンサーも騙されています。インフルエンサーの影響力を利用した悪質な手法です。

マッチングアプリを利用したロマンス詐欺

SNSやマッチングアプリを利用したロマンス詐欺もあります。ロマンス詐欺は、恋愛感情につけこむ詐欺です。

例としては、マッチングアプリで外国人を名乗る加害者が近づいてくるケースが挙げられます。被害者にアプローチして恋愛感情を抱かせ、完全に信用させた段階で金銭を要求するのが一般的です。名目は「結婚資金のために投資しよう」「借金があり返済しないといけない」「家族が病気で治療費が必要」など様々です。

通常であれば支払うはずのないお金でも、「結婚間近の深い関係になっている」と考えている被害者は送金してしまいます。送金すると突然連絡がとれなくなり、騙されていたと気がつきます。

被害者の感情をもてあそぶロマンス詐欺は、特に悪質な手口です。

詐欺被害に遭った時の対処法

SNS詐欺の被害に気がついたら、泣き寝入りせずに、被害を回復するためにすぐに行動をとってください。証拠を残して弁護士に相談すれば、民事上の返還請求をして金銭を取り返したり、刑事告訴をして犯人に刑罰を科したりする道が開かれます。

具体的には、以下の対処法をとりましょう。

証拠を残しておく

非常に重要なのが、証拠を残しておくことです。証拠がないと、民事上の返還請求や刑事告訴が困難になってしまいます。

SNS詐欺の証拠になり得るものとしては、以下が挙げられます。

  • SNSのメッセージ履歴
  • 被害額がわかる送金記録
  • 口座番号など送金先に関する情報
  • 犯人のアカウント情報

上記以外についても、被害の実態や犯人の素性に関係しそうなものは、すべて残しておくようにしてください。加害者に証拠を隠滅されてしまう可能性が高いので、スクリーンショットで保存しておくなど、時間が経過しても見られる形にしておくのがポイントです。

被害者の中には、現実から目を背けたいために証拠を消してしまう方もいます。しかし、証拠がなければ犯人への追及はできません。絶対に消さずに、残しておくようにしてください。

弁護士に相談する

証拠を確保できたら、弁護士にご相談ください。「何が証拠になるかわからない」という方は、先に相談してアドバイスを受けても構いません。

詐欺犯の責任を追及する方法としては、民事上の返還請求と刑事告訴があります。弁護士であれば民事・刑事両面で対応が可能です。

相談先としては、警察をお考えになる方もいるでしょう。もっとも、警察は民事上の争いに介入するのは避けたがります。刑事告訴をしようにも、詐欺罪は立証が難しいため「証拠が足りない」「犯罪には該当しない」などと理由をつけ、簡単には受理してくれません。

弁護士に相談・依頼すれば、必要な証拠を収集したうえで、受理されやすい告訴状を作成してもらえます。警察とのやりとりも安心して任せられます。

警察に相手にしてもらえなかった方でも、諦めず弁護士に相談してみましょう。

詐欺罪の刑事罰

刑事告訴すれば、警察が検察に事件を送致し捜査が進められます。検察官が起訴して刑事裁判になれば、加害者に刑罰を科せます。

詐欺罪の刑罰は「10年以下の懲役」です。罰金刑はなく、有罪になれば必ず懲役刑となります。被害額が大きいなど悪質であれば、執行猶予がつかない実刑判決がくだされ、犯人が刑務所に収監されます。

また、刑事告訴により結果的に返金の可能性が高まる点も大きなメリットです。告訴により処罰される可能性が現実的になると、犯人が刑罰を科されるのをおそれ、金銭を返還して示談するモチベーションが生じます。特に被害額が大きく実刑判決が予想されるケースでは、犯人に対して、刑務所に収監されるか、お金を返還するかの究極の二択を迫ることができます。

民事訴訟では解決が困難であっても、告訴により結果として金銭的被害の回復が実現するケースは多いです。刑事告訴の本来の目的は刑罰を科す点にありますが、金銭的なメリットを享受できる可能性もある点で非常に効果的な方法といえます。

詐欺被害で刑事告訴する際のポイント

SNSで詐欺被害を受けて刑事告訴する際には、以下のポイントを頭に入れておきましょう。

未遂でも告訴できる

詐欺罪は未遂でも処罰対象になるため、刑事告訴ができます。

未遂とは、犯罪に着手したものの被害結果が生じないことです。詐欺未遂罪の例としては、SNS上で架空の投資話を持ちかけたものの、相手が「騙そうとしている」と気がついて送金しなかったケースが挙げられます。

詐欺未遂罪で法律上科せる刑罰は「10年以下の懲役」であり、通常の詐欺罪と変わりません。実際には、財産的な損害が生じていない分、刑罰が軽くなるケースが多いです。とはいえ、罰金刑はなく重大な犯罪といえます。

SNS上で騙されそうになったときには、財産的被害が生じていなくても刑事告訴は可能です。

被害を最小限に抑える

詐欺被害に気がついた際には、それ以上の被害が生じないように対処するのも重要です。

たとえば、詐欺の過程でクレジットカードの情報を知られているときには、繰り返し利用されて被害が拡大する可能性があります。すぐにカード会社に連絡して、カードの利用を停止しましょう。アカウントのログインに必要なIDやパスワードを知られてしまっていたときには、変更が必要です。

他には、警察や弁護士への相談も有効です。専門家の意見を聞いて、被害の拡大を防ぐようにしてください。

被害者の弁護が得意な弁護士に相談する

弁護士に相談する際には、被害者側に立った経験が豊富な弁護士を選ぶようにしましょう。

刑事事件をよく扱っている弁護士であっても、加害者側に特化して活動している場合がほとんどです。加害者の刑罰を軽くする方法はよく知っていても、被害者にとって有利な証拠収集や刑事告訴に詳しいわけではありません。残念ながら、被害者には親身に対応してくれない人もいるでしょう。

被害者側の弁護が得意な弁護士であれば、受理されやすい告訴状の作成方法や、警察に告訴を認めさせる交渉術を身に着けています。加えて、被害者の気持ちに寄り添った対応も期待できます。相談する際には、被害者側の弁護に強い弁護士をお選びください。

まとめ

ここまで、SNSを利用した詐欺について、手口や対処法、刑事告訴のポイントなどについて解説してきました。

SNSでは投資詐欺やロマンス詐欺など、様々な手口の詐欺が横行しています。被害に遭った際には、証拠を残しておくとともに、弁護士に相談して刑事告訴を含め対応を検討しましょう。

SNSで詐欺被害に遭われた方は、リード法律事務所までご相談ください。

当事務所では、被害者の方々から依頼を受け、詐欺罪について数多くの告訴を受理させて参りました。証拠収集から告訴状の作成、警察とのやりとり、加害者への返還請求まで、被害者の方を徹底的にサポートいたします。

SNS詐欺の被害に遭われてお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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