最終更新日:2023.05.31
犯罪被害にあったらどうすればいい?対処方法を解説
犯罪被害に遭った場合、どのような対応をすれば良いのか迷ってしまう方が少なくありません。誰にも相談できず泣き寝入りしてしまう方もおられます。
まだ犯人が捕まっていない場合、適切に対応しないとさらに被害が及んでしまう可能性もあります。
この記事では犯罪被害に遭った場合にどのように対応すれば良いのか、解説します。
暴行や詐欺、性犯罪などの被害に遭われた方は、ぜひ参考にしてください。
目次
犯罪被害に遭ったときにすべきこと
犯罪被害に遭ったら、以下の2つの行動をとるべきです。
身の安全を守る、二次被害を防ぐ
まずは身の安全を守る方法を考えなければなりません。
ストーカー規制法違反などの場合、再度の犯罪行為を重ねられる可能性もあります。
身の安全を守るには、警察や弁護士に相談すべきです。
たとえばストーカー規制法違反の場合、警察に申し出をすると警告を出してもらえます。これにより、つきまといが止むケースが多数です。
それでもつきまといがおさまらない場合、警察本部長から禁止命令を出してもらうことも可能です。
継続的に暴行を受けていて再度の被害をうけるおそれがある場合などには、警察がパトロールを強化してくれるケースもあります。
また弁護士に相談すると、弁護士が被害者の代理人として行動してくれます。
加害者へ通知を送ってこれ以上つきまといなどの嫌がらせを行わないよう警告もしてくれるでしょう。弁護士が間に入ることによって嫌がらせなどが止むケースも多いので、警察が動いてくれないときにでも弁護士に相談する方法は有効です。
犯罪の事実を警察に申告する
犯罪被害に遭ったら、犯罪事実を警察へ申告しましょう。
具体的には被害届や告訴状を提出します。
被害者からの犯罪事実の申告がないと、警察は事件を把握できず捜査を開始しにくくなります。
被害届と告訴状の違い
被害届は、警察へ犯罪事実を申告する書類です。
特に「処罰してほしい」という強い意思は含まれていません。
告訴状は、被害者が警察に「犯人を処罰してほしい」と要求する書類です。被害者による強い処罰意思が含まれるので、被害届のみが提出されるケースよりも犯人が厳しく処罰される可能性が高まります。
そのため犯罪被害に遭ったら、早めに警察へ被害届か告訴状を提出しましょう。
犯罪被害に遭ったら誰に相談すればいいの?
犯罪被害に遭ったら、誰に相談すれば良いのでしょうか?
以下でみてみましょう。
警察
まずは警察に相談すべきです。
ただし警察では、犯罪内容がわかりづらいと被害届や告訴状を受け取ってもらえません。
被害届や告訴状を出す前に、犯罪事実の概要をまとめたり、証拠を集めたりしましょう。
たとえば物を盗られたなら何を盗られたのか明らかにすべきですし、ケガをしたなら医師による診断書を用意すると良いでしょう。
弁護士
犯罪被害は弁護士にも相談できます。
弁護士に相談する際にも、どういった犯罪に巻き込まれているのかを説明する必要があります。相談に行く前に、これまでの事実の経緯を時系列表にまとめておくと良いでしょう。
手元に事件に関係のある資料があれば、すべて持参しましょう。
犯罪被害に遭ったときに弁護士に依頼するメリット
犯罪被害に遭った場合、弁護士に被害者代理人を依頼できます。
被害者代理人は被害者の代理人として加害者と交渉したり加害者の刑事裁判に参加したりできます。
以下で弁護士に依頼するメリットをみてみましょう。
代理人として行動してもらえる
まずは弁護士に代理人として行動してもらえるのがメリットといえます。
犯罪被害に遭うと、日々不安を感じるでしょう。怖くて外に出られなくなってしまう方も珍しくありません。
弁護士に依頼すると弁護士が代理人として加害者や警察とやり取りしてくれるので、被害者にかかる精神的肉体的な負担が大きく軽減されます。
告訴状を代書してもらえる
刑事告訴する際には、告訴状を作成しなければなりません。ただ被害者ご本人は、どのように告訴状を作成して良いかわからないケースも多いでしょう。
弁護士に依頼すると法律要件に沿って告訴状を作成してくれるので、被害者が自分で調べて書面作成する必要がありません。
警察へ同行してもらえる
被害者の事情聴取が行われる際、弁護士に依頼していると弁護士が警察まで同行してくれるケースがよくあります。
1人で警察に行くのに気後れしてしまう方にとっては大きなメリットとなるでしょう。
身の安全が守られやすい
犯罪被害に遭うと、「さらなる被害に遭うのではないか?」と恐ろしく感じるものです。
弁護士に依頼すると弁護士から加害者へ警告書などを送ってもらえるので、身の安全が守られやすくなるメリットがあります。
刑事裁判で被害者をサポートしてくれる
加害者が刑事裁判になった場合でも、弁護士は被害者をサポートします。たとえば事件によっては「被害者参加制度」を利用して、被害者が加害者の刑事裁判に参加する手続きの支援をしてくれます。被害者参加制度とは、被害者が加害者の刑事裁判に参加して尋問したり意見を述べたりできる制度です。
民事賠償請求を依頼できる
犯罪被害に遭った場合、被害者は加害者へ賠償金を請求できます。
ただ1人ではどのようにすすめて良いかわからない方も多いでしょう。
弁護士に依頼すると、加害者との示談交渉や加害者への訴訟手続などによって賠償金の請求を進めてもらえます。
民事賠償請求を任せられるのも、依頼するメリットといえるでしょう。
犯罪被害に遭ったときに被害者をサポートしてくれるのは弁護士です。困ったときには泣き寝入りをせずに、被害者支援に力を入れている弁護士へ相談してみましょう。