最終更新日:2023.05.31
犯罪の被害者側が弁護士の力を借りることはできる?手順や費用を解説
自分や大切な人が犯罪の被害に遭うのは絶対に避けたいですが、ときに運悪く犯罪に巻き込まれてしまうこともあります。また、警察へ被害を報告したにもかかわらず犯罪として取り扱ってもらえず困っている人もいるかもしれません。
そのような場合、誰に相談すれば良いのでしょうか?
皆さんの中には「被害者が弁護士に助力を頼むことはできない」と思っている方もいるのではないかと思います。
なぜなら小説やドラマの裁判のシーンでは、弁護士は被告人(加害者)側の支援をおこなう立場で、自分が被害者になったときには警察に訴えることしかできない……そんなイメージを持っている人も多いからです。
しかし、実は被害者も弁護士の力を借りて犯罪の被害救済を図ることができます。
今回は犯罪の被害者が弁護士に支援を依頼するときの手順や費用などについて、わかりやすく解説します。
「弁護士は被害者の敵」は本当か?
交通事故や離婚・遺産相続などの賠償について争われる民事裁判では、双方がよりよい条件で決着させるためにそれぞれ弁護士に依頼するケースが多く見られます。
しかし刑事裁判においては、被害者自身が直接加害者と裁判で対決するのではなく、検察官が起訴する側(原告)になります。
被告人は、誤った情報や思い込みなどで不利な判決を受けることがないように、弁護士をつけて支援を受けることができます。
このとき、弁護士はあくまでも事実に基づき、被告人の権利や利益を守るための弁護を行いますが、この弁護内容は、被害者側から見ると自分たちにとって不利な結果をもたらすことがほとんどです。
映画やドラマでは、高額の報酬を目当てに事実を隠したり被害者をことさら攻撃するような弁護士が大げさに描かれることもあり、このことから世間では「弁護士は被害者の敵」と見られているのかもしれません。
しかし本来、弁護士は専門知識に基づき依頼人の権利・利益を擁護するのが仕事ですから、依頼があれば加害者・被害者どちらの味方にもなりえます。
あなたがもし犯罪の被害に遭ってしまった場合、たしかに裁判の場で弁護士が弁護を行うことはありませんが、次のような場面では弁護士が被害者の側に立って支援することが可能です。
- 犯罪の被害に遭ってしまい、警察に相談したのに対応してくれない
- 被害届や告訴状を受理してもらえない
- 賠償金で済ませるのではなく、加害者にしかるべき処罰を与えたい
- 加害者側から示談交渉を迫られているが、専門知識がなく判断に困っている
- そもそも犯罪(刑事事件)にあたるのか、専門知識がなく分からない
- 加害者側とできるだけ接触したくないので、信頼のおける代理人がいてほしい
弁護士へ被害者側が依頼するときの手順
犯罪の被害者になってしまった場合に、警察が取り合ってくれなかったり身近に頼れる人がいなかったりする場合、弁護士への相談・依頼という選択肢があります。
弁護士への依頼の流れはおおむね以下のようになります。(※弁護士事務所により多少異なります)
1)弁護士を探す
ひとことで弁護士といっても、それぞれ専門分野や得意分野は異なります。自分のケースにできるだけ近い実績や経験と専門知識を持った弁護士を見つけることが失敗しないための最大のポイントです。
2)初回の相談
多くの弁護士事務所では、30分5,000円程度の固定料金で初回相談を受け付けています。これまでの経緯や相手方からの対応、警察とのやりとりなどをまとめておくとスムーズにアドバイスを受けることができます。
弁護士からあなたのケースが刑事事件にあたるのかどうか、被害届や告訴状は出せるのか、どのような決着が想定できるのか……といった説明を受け、実際に依頼するかどうかはそれから決めても構いません。
3)契約
弁護士への相談の結果、依頼することに決めたら、費用や支援の内容・範囲・期間などを明記した契約書に基づき契約へ進みます。
4)支援の実施
契約内容に基づき業務を開始します。依頼のゴールは告訴であったり、十分な示談金の獲得であったりさまざまですが、弁護士は全力で被害者のサポートを行います。
被害者の弁護士費用はどうなるのか
犯罪被害者が弁護士に支援を依頼する場合でも、費用は基本的に依頼主が支払います。
「自分が被害に遭ったのにお金まで……」と納得できないかもしれませんが、弁護士なしの場合と比べて十分な額の示談金や損害賠償金が受け取れるケースも数多くあり、そのような場合は弁護士費用が十分まかなえます。
あるいは被害者が加害者の行為で非常に大きなダメージを受け「民事事件で済ませるのではなく、加害者に厳しい処罰を与えたい」という要望を持っている場合、専門知識を持った弁護士の介入で希望が叶う可能性が高まるため、検討の価値があるでしょう。
弁護士費用は、事務所や担当弁護士ごとに異なりますが、おもに以下の3つの方法で決まります。
- 時間制…調査や資料作成・手続きなど実際の稼働時間に対し報酬を算定します。
- 固定報酬制…小規模な案件では、あらかじめ料金が決まっていることもあります。
- 成功報酬制…報酬の一部のみを先に支払い、依頼主の希望が叶った場合に全額を支払います。
リード法律事務所では、初回相談(30分)を5,500円(税込)で受け付けています。相談の後に依頼を決めた場合には、事案の難易度や証拠の充実度に応じて着手金(40万円~)、報酬金(40万円~)という料金体系になっています。
犯罪被害で困ったら弁護士に相談を
もしも思わぬ犯罪に巻き込まれてしまい、警察でもただちに対応してもらえずに困っている場合は、1人で悩むよりも専門家に相談するのが解決への近道です。
一般的には被告人(加害者側)の弁護だけを行なうと思われがちな弁護士ですが、実はその専門知識を活用し、被害者の強い味方にもなり得ます。
弁護士にはそれぞれ得意とする領域が異なるため、相談する際には刑事事件の被害者支援に注力している弁護士を選ぶことをお勧めします。
リード法律事務所では、犯罪被害の届出から告訴・告発、示談交渉まで、経験豊富な弁護士が相談(初回 30分/5,500円・税込)を受け付けています。1人で悩まず、まずは気軽にご連絡ください。