詐欺被害にあったら

最終更新日:2026.02.03

詐欺の被害届の出し方を4ステップで解説|警察が受理しなかったら?

詐欺被害に遭った際には、警察に被害届を提出できます。証拠を集めて被害状況を整理し、警察に申告する流れになります。

もっとも、被害届を提出したからといって、警察が捜査を進めてくれるとは限りません。そもそも受理してくれないケースも多いです。より強力な手段である刑事告訴も検討しましょう。

この記事では、詐欺の被害届の出し方や注意点などを解説しています。詐欺被害に遭った方に知って欲しい内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

詐欺で被害届を出す際に知っておきたい基礎知識

出し方を知る前に、詐欺や被害届に関する基本的な知識を知っておく必要があります。まずは、詐欺罪の成立要件や被害届の意味について簡単にご説明します。

詐欺罪の成立要件

詐欺罪は、他人から金品を騙し取る犯罪です(刑法246条)。

大まかに、以下の一連の流れが認められれば、詐欺罪が成立します。

  1. 犯人が被害者にウソをつく
  2. 被害者が騙される
  3. 被害者が犯人に財産を渡す
  4. 財産が犯人の物になる

詐欺罪の成立には「欺く行為」「錯誤」「交付行為」「財産移転」のすべてが必要です。

被害者がウソを見破って騙されなかった場合には、詐欺未遂罪となります。詐欺罪となる典型例は振り込め詐欺です。

振り込め詐欺は基本的に以下の流れになり、詐欺罪が成立します。

  1. (何らかの理由をつけて)振り込みが必要だと伝える
  2. 被害者が騙される
  3. ATMや窓口で振り込みをする
  4. 金銭が犯人側の口座に移動する

詐欺には、特殊詐欺(振り込め詐欺など)、結婚詐欺・国際ロマンス詐欺、投資詐欺、無銭飲食など、実に様々な種類が存在し、日々新たな手口が誕生しています。近年深刻な社会問題となっている犯罪です。

詐欺罪の成立要件や手口について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

参考記事:詐欺罪とは?量刑や詐欺手口の種類、被害に遭ったらすべきことを解説

被害届とは?

続いて、被害届とは何かについて、告訴状との違いも含めてご説明します。

犯罪被害に遭った事実を捜査機関に伝える届出

被害届とは、犯罪被害に遭った事実を捜査機関に伝える届出です。被害の事実を伝えることで、警察や検察に捜査を促すことができます。

もちろん、被害届が提出されなくても、事件が発覚し、捜査が始まる場合はあります。もっとも、警察・検察がすべての事件を把握できるわけではありません。捜査のきっかけのひとつとなるのが被害届です。

告訴状との違い

被害届と似たものに「告訴状」があります。

告訴状は、刑事告訴をする際に提出する書類です。刑事告訴とは、犯罪事実を捜査機関に申告し、犯人の処罰を求める意思を示す行為です。

告訴の特徴として、処罰を求める意思を必ず含むという点が挙げられます。対して、被害届は必ずしも加害者の処罰を求めるものではありません。とはいえ、わざわざ被害届を提出している以上、処罰を希望するケースが多いでしょう。

実際の違いとして大きいのは、警察に捜査義務が生じるか否かです。

被害者から刑事告訴を受けた警察には、書類や証拠物を検察に送付する義務が生じます(刑事訴訟法242条)。検察に事件を送る必要があるため、警察は捜査を進めなければなりません。告訴状を提出した後に、何もされずに放置されるおそれはないということです。

被害届では、捜査を進める義務までは生じません。実際に、提出しても捜査が進展しないケースはよくあります。

捜査義務が生じる告訴状の方が、被害届よりも強力な手段です。

被害届と刑事告訴の違いについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

参考記事:被害届と刑事告訴の違いを弁護士が分かりやすく解説

詐欺は被害者が申告しないと判明しづらい

詐欺罪では、被害届や告訴状の提出により、積極的に被害を捜査機関に申告すべきです。

詐欺はバレないように行われます。被害者本人ですら、しばらく気がつかないケースが多いです。第三者である警察には、なかなか被害の事実は明らかになりません。殺人や傷害のような、被害が明らかで客観的にもわかりやすい犯罪とは性質が異なります。

発覚しづらい以上、詐欺被害に気がついたらすぐに、被害届や刑事告訴により警察に被害を申告する必要性が高いです。

詐欺に遭った際の被害届の出し方4ステップ

詐欺被害に遭った際に被害届を出すには、以下の4ステップで進めましょう。

  • 【STEP1】可能な範囲で証拠を集める
  • 【STEP2】被害の経緯を整理する
  • 【STEP3】警察に事前に連絡する
  • 【STEP4】警察署に出向く

順に解説します。

【STEP1】可能な範囲で証拠を集める

詐欺被害の被害届を出すには、まずは、できるだけ証拠を集めましょう。被害を受けた事実を警察に理解してもらうには、証拠が必要になるためです。証拠が全くないと、警察に相手にしてもらえません。

手口にもよりますが、詐欺罪の証拠になり得るものとしては、たとえば以下が挙げられます。

  • やり取りの内容がわかるもの(メール・LINE・SNSのDMなどの履歴、電話の録音)
  • 締結した契約書
  • 金銭の移動を示す記録(預金通帳、送金記録など)
  • 加害者に関する情報(連絡先、ウェブサイト、振込先口座など)

詐欺師の手口は巧妙であり、証拠が十分に残っていない場合も多いです。「証拠は警察が集めてくれるはずだ」と考える方もいるでしょう。

しかし、ある程度は証拠がないと、警察は取り合ってくれません。被害届を出す際には、できる限り証拠を確保しておくようにしてください。

刑事事件の証拠については、以下の記事で解説しています。

参考記事:刑事事件の証拠になるものとは?証拠の種類や証拠調べ手続きについて解説

【STEP2】被害の経緯を整理する

証拠を確保するとともに、詐欺被害に至る経緯を整理しておきましょう。相談を受ける警察としては、話がまとまっている方が理解しやすいです。

整理する際には、時系列順にまとめるとわかりやすいです。証拠も参照しつつ、いつ何があったかを、順に説明できるようにしておきましょう。

【STEP3】警察に事前に連絡する

準備ができたら、いきなり警察に行くのではなく、事前に連絡を入れるのがよいでしょう。

アポなしで行くと、人員不足などから、十分な対応をしてもらえないおそれがあります。何度も出向くのは手間ですので、あらかじめ連絡して日時を決めておくとスムーズです。同時に、持ち物(身分証など)も確認しておきましょう。

【STEP4】警察署に出向く

約束した日時に、証拠等を持参して警察署に出向き、被害届を提出します。

提出するといっても、事前に完成した書類を準備する必要はありません。書式は警察署にありますが、実際には、被害者から話を聞いた警察官が、内容を書面に記載する場合が多いです。

警察官から聞かれたことには正直に答え、間違いのない被害届を作成・提出しましょう。

詐欺で被害届を出す場合の注意点

詐欺で被害届を出す際には、以下の点に注意してください。

  • できるだけ早めに提出する
  • 警察が捜査を進めてくれるとは限らない
  • そもそも受理してくれないケースも多い

順にご説明します。

できるだけ早めに提出する

被害届は、できるだけ早めに提出してください。証拠が時間の経過とともに失われていき、犯人の責任を追及するのが困難になるためです。

たとえば、ネット上に残された証拠は、犯人の手で隠滅されるだけでなく、時間とともに自然に消える可能性があります。防犯カメラ映像も、保存期間が限られています。

ただでさえ証拠が残りづらい詐欺罪において、被害届の提出を先延ばしにすると、少ない証拠までもが失われてしまうリスクが高いです。

また、被害から時間が経つと、公訴時効にかかり刑事裁判にかけられなくなるおそれもあります。詐欺罪の公訴時効期間は7年です(刑事訴訟法250条2項4号)。被害から7年経過すると、刑事責任を追及できなくなります。

刑事責任を問うためには、被害に気がついたらすぐに動くようにしてください。

詐欺罪の時効については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考記事:詐欺の時効は何年?刑事・民事の時効期間や被害者がすべきことを解説

捜査を進めてくれるとは限らない

被害届の大きな問題は、提出しても捜査を進めてくれるとは限らない点です。

前述の通り、被害届を提出しても、警察に捜査義務までは発生しません。「被害額が少ない」「人員が足りない」といった理由で放置されてしまい、捜査が進展しないケースもよくあります。

被害届を出しても、警察が事実上動いてくれないのであれば意味がありません。確実に捜査を進めてもらうためには、被害届の提出ではなく、刑事告訴がオススメです。

警察が受理してくれないケースが多い

そもそも、被害届を受理すらしてもらえないケースも多いです。

警察が被害届を受理しない理由としては、以下が考えられます。

  • 証拠が不十分
  • 民事不介入
  • 詐欺罪が成立しない
  • 被害が軽い
  • 人員が不足している

とりわけ詐欺罪では「加害者に被害者を騙す意思があった」ことの証明が問題となります。内心を証明するのは難しいため、「当初は返すつもりがあったのではないか」として、詐欺罪に該当しないと判断されてしまうケースが多いです。

詐欺罪が成立せず、単なる私的トラブルに過ぎないとなれば、警察は関与したがりません。詐欺で警察を動かすのは難しいといえます。

詐欺で警察が対応しない理由については、以下の記事でも解説しています。

参考記事:詐欺被害の相談はどこにする?警察に対応してもらえなかったら?

詐欺では被害届の提出よりも刑事告訴がオススメ

被害届では効果が十分でないケースでは、より強力な手段である刑事告訴がオススメです。ここでは、刑事告訴のメリットを簡単に解説します。

詐欺で刑事告訴するメリットについての詳細は、以下の記事をお読みください。

参考記事:詐欺被害に遭ったら刑事告訴できる?事例と刑事告訴するメリットを解説

確実に捜査を進めてもらえる

告訴状を提出して刑事告訴をすれば、確実に捜査を進めてもらえます。告訴を受けた警察には、書類や証拠物を検察に送付する義務が生じるためです(刑事訴訟法242条)。

被害届とは異なり、告訴すれば捜査されずに放置される心配はありません。捜査を進めてもらうには、警察に刑事告訴を受理してもらいましょう。

加害者に刑罰を科しやすくなる

告訴をきっかけに捜査が進展すれば、証拠が揃い、加害者に刑罰を科せる可能性が高まります。

詐欺罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。拘禁刑とは、懲役と禁錮が統合されたもので、刑務所に服役する刑罰になります。被害額が大きいなど悪質な場合には、執行猶予がつかずに実刑判決となり、犯人は直ちに刑務所行きになり得ます。

刑事告訴は、加害者の処罰を求める行為です。告訴を通じて、重い処分が科される可能性を高められます。

詐欺罪の刑罰について詳しくは、以下の記事をお読みください。

参考記事:詐欺罪の刑罰|予想される刑罰と返金可能性を被害者側専門弁護士が解説

被害を取り戻せる可能性が高まる

加害者に刑罰を科すだけでなく、告訴を通じて被害を取り返せる場合もあります。

上述の通り、告訴をすれば刑罰が現実味を帯びるため、加害者にはプレッシャーになります。加害者が処罰を避けるための近道は、被害を弁償し、被害者の許しを得ることです。そのため、加害者が返金して示談するよう持ち掛けてくる場合があります。

本来、刑事告訴は刑罰を求めるための手段です。しかし、結果的に被害を取り返せるケースもあります。詐欺被害を取り返すのは簡単ではありませんが、刑事告訴は効果的な方法のひとつです。

詐欺で刑事告訴する効果については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考記事:詐欺の被害者側に強い弁護士とは?刑事告訴に強い弁護士に依頼すべき理由

詐欺被害に遭った方はリード法律事務所にご相談ください

本記事では、詐欺で被害届を提出する方法や注意点、刑事告訴をオススメする理由などを解説してきました。

詐欺で被害届を出す際は、証拠を集めて被害状況を整理し、警察に行くという流れになります。証拠がなくなる前に、早めに動くようにしましょう。

ただし、被害届を提出しても思い通りに捜査が進むとは限りません。より強力な手段である、刑事告訴もご検討ください。

詐欺の被害を受けた方は、リード法律事務所までご相談ください。

詐欺罪は証明が難しく、被害届や告訴状を受理してもらうハードルが高いです。当事務所は犯罪被害者の弁護に力をいれており、被害届の提出だけでなく、詐欺罪で告訴を受理させた事例も多数ございます。

「被害届を出したい」「詐欺師に刑罰を科したい」「返金してもらいたい」などとお考えの詐欺被害者の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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