「詐欺被害に遭ったようだ…」とお困りでしょうか?
詐欺被害の疑いがあれば、早めに適切な機関に相談してください。相談先としては、警察の他に、国民生活センターや被害の種類に応じた専門窓口などが考えられます。
多くの方は、警察を頼ろうと思われるかもしれません。しかし、警察が対応してくれないケースがたびたびあります。警察に相手にしてもらえないときは、弁護士に相談して、刑事告訴や返金請求などの対応を検討しましょう。
この記事では、詐欺被害の相談窓口や、警察に対応してもらえないときの対処法などについて解説しています。詐欺被害に遭った疑いがある方は、ぜひ最後までお読みください。
詐欺罪の基礎知識については、以下の記事で解説しています。
参考記事:詐欺罪とは?量刑や詐欺手口の種類、被害に遭ったらすべきことを解説
目次
詐欺被害の相談窓口
詐欺被害に遭った際の相談先としては、警察のほか、国民生活センター、被害ごとの専門窓口、弁護士などが考えられます。
それぞれの相談窓口を順にご紹介します。
警察
まず考えられる相談先が警察です。警察に相談して被害届や告訴状を受理してもらえれば、捜査が進み犯人が逮捕・処罰される可能性があります。
警察では、各都道府県の被害相談窓口のほか、ネットを通じた詐欺についてはサイバー事案に関する相談窓口が用意されています。また、詐欺罪に該当するかわからないときには、警察相談専用電話「#9110」にかけるのもひとつの選択肢です。
ただし、後述する通り、民事上の争いに過ぎないと判断されたケースや証拠がないケースなどでは、警察は十分な対応をしてくれません。
国民生活センター
国民生活センターの消費者ホットライン「188」に相談する方法もあります。各地の消費生活センターにつながり、詐欺についての相談が可能です。どこに相談していいか分からない方でも、相談窓口を案内してもらえます。
消費生活センターからは、一般的なアドバイスや交渉のサポート、関係機関の紹介を受けられます。ただし、強制的な手段はとってくれません。
被害ごとの専門窓口
被害の種類に応じた専門窓口を利用するのもひとつの方法です。たとえば、以下の相談窓口があります。
- 金融サービス利用者相談室:0570-016811
- 通販110番:03-5651-1122
- 訪問販売ホットライン:0120-513-506
ご自身が遭った被害にあわせて、専門窓口をお選びください。
弁護士
上記の相談窓口に相談しても、十分な対応をしてくれないケースや、たらい回しにされて時間を要してしまうケースがあります。そこで、はじめから弁護士に相談するのも効果的です。
弁護士に相談するルートとしては、たとえば以下があります。
- 弁護士会の法律相談センター
- 法テラス
- 各地の法律事務所
弁護士に相談すれば、詐欺に該当するかを判断してもらえ、民事上の返還請求や刑事告訴ができるかがわかります。相談後に依頼すれば、法的措置もとれます。
詐欺被害を相談する際のポイント
詐欺被害を相談する際には、以下のポイントに注意する必要があります。相談の効果を最大にするために確認しましょう。
早めに相談する
被害に気がついたら早めにご相談ください。更なる被害を防ぐとともに、証拠を保全するためです。
早めに相談すれば、状況に応じて口座凍結や送金停止などの手段がとれ、被害を最小限に抑えられるかもしれません。また、加害者に民事・刑事上の責任を追及するためには証拠が不可欠であり、消える前に証拠をおさえておく必要があります。
相談が遅れてしまうと、被害が拡大したり、証拠が消滅したりするリスクが高いです。少しでも疑いを持ったら、すぐに相談してください。
要点や時系列をまとめておく
相談の際には、要点や時系列を事前にまとめておくとよいでしょう。
相談時間が限られているにもかかわらず、話が様々な方向に拡散してしまい、十分に被害を伝えられなかったり、聞きたいことを聞けなかったりする場合があります。せっかく勇気を出して相談をしたのに、満足のいく回答を得られないと大変もったいないです。
あらかじめ被害状況や質問事項をまとめておけば、相談がスムーズに進みます。相談を受ける側としても、事前に準備していただけると非常にありがたいです。
とはいえ、被害に遭いショックを受けた状態では難しい部分もあるかと思います。完璧な準備をする必要はありません。できる範囲で相談の要点やこれまでの時系列を整理していただければ十分です。
手元にある証拠を持っていく
手元に被害の証拠がある場合には、相談の際に用意しておきましょう。
証拠の有無によって、相手に法的責任を追及できるかが大きく左右されます。証拠をご用意いただければ、今後の見通しをアドバイスしやすくなります。証拠を用意することを意識すれば、現在残っている証拠の保全につながる点もメリットです。
「何が証拠になるかわからない」という方は、関係しそうな物をすべてお持ちください。実際の相談前に相談先とやりとりができるときは、用意すべきものを尋ねるのもよいでしょう。
詐欺被害を相談しても警察が対応してくれない理由
詐欺被害を警察に相談しようと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、警察が対応してくれないケースも多いです。
ここでは、警察が詐欺被害の相談に対応してくれない理由を簡単に解説します。より詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
参考記事:警察が告訴を断る理由と告訴を受理してもらうための5つのポイントを弁護士が解説
民事不介入
警察は単なる民事上の争いには関与してくれません。警察が扱うのは刑事事件であり、私的な争いに過ぎず犯罪には該当しないと判断されると、「民事不介入」という理由で対応してくれないのが通常です。
騙されてお金を支払っても、はたから見ると犯罪にはあたらないと思える場合があります。
たとえば、単にお金を貸し借りしただけのときは、貸したお金が返ってこないとしても詐欺罪にはなりません。民事訴訟を起こして返還を求められるだけです。しかし、元から返すつもりがないのに「借りた金は後で返す」と告げてお金を騙し取れば、詐欺罪が成立します。
詐欺罪が成立するかどうか微妙なケースがあり、警察であっても正しい判断ができるとは限りません。実際には詐欺罪に該当するのに、「民事不介入」として対応してくれない場合もあります。
証拠が不十分
証拠が不十分であるために、警察が相手にしてくれないケースも多いです。
本来であれば、被害を訴えられている以上、捜査を進めて証拠を集めるのが警察の仕事です。とはいえ、警察のリソースは限られており、実際に犯罪に該当するかもわからない事件に人員を割くのは難しいという実情もあります。
詐欺罪は、特に証明が難しい犯罪です。成否が微妙であったり、証拠が残っていなかったりして、刑事事件にするのが困難なケースもあります。証拠が少なく犯行を証明できない、犯人の手がかりすらないといった状況では、警察はなかなか対応してくれません。
被害が軽い
十分に証拠が揃っていたとしても、被害が軽いために対応してくれないケースもあります。
上述の通り、警察のリソースは限られています。どうしても、被害が深刻な重大事件や社会的に問題とされている事件に人員が割かれ、小さい事件は十分に取り扱ってくれない側面は否めません。
しかし、たとえ被害額が相対的に小さくても、詐欺は悪質な犯罪であり警察は対応すべきです。「被害が軽い」「他の事件処理で忙しい」という理由で対応しないのは不当といえます。
詐欺被害は弁護士にご相談ください
警察に相談しても十分な対応をしてもらえない場合があります。詐欺被害は弁護士にご相談ください。
以下で、詐欺被害を弁護士に相談するメリットをご紹介します。詐欺被害を受けた際にどんな弁護士に依頼すべきかについては、次の記事をお読みください。
参考記事:詐欺の被害者側に強い弁護士とは?刑事告訴に強い弁護士に依頼すべき理由
警察にはできない手段がとれる
詐欺加害者の責任を追及するために、弁護士は警察にはとれない法的手段をとれます。
警察や検察ができるのは、刑事事件としての捜査や検挙に限られます。起訴されて刑事裁判となって有罪判決がくだされても、被害者への直接の賠償が命じられるわけではありません。
弁護士は、返金に向けた民事上の手段をとれます。交渉や訴訟などの方法を用いて、騙し取られたお金が少しでも返ってくるように行動します。警察ではできない金銭的被害の回復を図れる点は、弁護士に依頼するメリットです。
H3刑事告訴をサポートしてもらえる
弁護士には、民事上の請求だけでなく、刑事告訴もサポートしてもらえます。
刑事告訴は、犯罪被害を受けた事実を捜査機関に申告し、犯人の処罰を求める行為です。告訴を受けた警察・検察には捜査を進める義務が生じるため、有効な手段といえます。
しかも、告訴により加害者が「刑罰を科される」とプレッシャーを感じ、被害弁償を申し出てくるケースもあります。告訴は本来は刑事罰を求めるものですが、結果的に返金が実現する可能性があるのです。
しかし、被害者自身が警察に出向いても、前述した理由により、なかなか告訴を受理してもらえません。弁護士に告訴を依頼すれば、証拠の収集から告訴状の作成、警察の説得まで任せられ、告訴が受理されやすくなります。
ただし、多くの弁護士は加害者側で活動しており、告訴に精通した弁護士は少ないです。告訴を受理させた経験が豊富な弁護士を探して、相談・依頼するようにしましょう。
詐欺で刑事告訴するメリットについて詳しくは、以下の記事をお読みください。
参考記事:詐欺被害に遭ったら刑事告訴できる?事例と刑事告訴するメリットを解説
手続き・交渉を任せられる
弁護士には、法的手続きや加害者との交渉を任せられます。
被害によりショックを受けた状態で、面倒な手続きや交渉をするのは負担が大きいです。犯罪者と直接やりとりをすると、うまくいかないばかりか身の危険が生じるリスクもあります。
弁護士に依頼すれば、法的責任を追及しやすくなるだけでなく、時間的・精神的な負担を軽減できます。大変なことを任せて日常生活を送れるのは、弁護士に依頼するメリットのひとつです。
まとめ
ここまで、詐欺被害の相談先や、警察に相手にしてもらえないときの対処法などを解説してきました。
相談先としては、警察のほか、国民生活センターや各種専門窓口などが考えられます。しかし、十分な対応をしてもらえずに泣き寝入りを強いられるケースも多いです。他の機関から納得のいく対応をしてもらえなかった方や、これから相談をしようとしている方は、弁護士への相談をご検討ください。
詐欺被害に遭われた方は、リード法律事務所までご相談ください。
当事務所は犯罪被害者の弁護に力を入れており、詐欺罪でも数多くの告訴を受理させてきた実績がございます。証拠の収集から告訴状の作成、警察や加害者との交渉までお任せいただけます。
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